南山大学観世会Blog

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2013-01-02-Wed-15-10

羽衣の詞章を読み解く(2)

1月5日に出す能「羽衣」を少しでも楽しく観ていただくために
能の詞章をちょっとだけ取り上げて解説したいと思います。

羽衣を解釈する一助になれば幸いです。
参考文献:日本古典文学全集『謡曲集一』小学館

素人の解説ですので、誤りなどあるかもしれませんが
大目に見ていただけると嬉しいです^^;

羽衣のあらすじはこちらのサイトをご覧ください。
the能.com 演目事典>羽衣


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その2【白衣黒衣の天人】

「しかるに月宮殿の有様、玉斧の修理とこしなへにして、
白衣黒衣の天人の、数を三五に分って、
一月夜々の天乙女、奉仕を定め役をなす。」


現代語訳:
ところでその空にある月の宮殿の様子は、
永久に続くようにと美しい斧で建造されており、
そこには白衣の天人黒衣の天人がそれぞれ十五人、
ひと月の毎夜毎夜、役を定めて奉仕している。



この場面は、漁夫から羽衣を返してもらった天人が
お礼の舞を見せる際に月の宮殿の様子を説明しているものです。

「数を三五に分って」とありますが、この「三五」というのは
「3×5=15」という意味で「十五」を表し、
白衣と黒衣の天人が十五人ずついることを表しています。

九九を使って数を表すというのがなんともユニークですよね。

さてさて。白衣黒衣の天人...
これが何を指しているかわかりますか?



なぞなぞですデデン

月の宮殿で天人がはたらいています。
白衣の天人が15人、黒衣の天人が15人います。
宮殿にはいつも15人の天人がはたらいており、残りの15人は非番です。

月の初めには白衣の天人が一人宮殿に入り、黒衣の天人が一人抜けます。
こうして毎日一人ずつ白衣の天人が入り黒衣の天人が出て行くと
15日目には宮殿の天人は全員白衣の天人になります。

16日目から30日目まではそれまでの逆で
黒衣の天人が一人はいるごとに白衣の天人が一人抜けて行きます。

さて、これが表すものとは??



もうお分かりですよね?

天人の衣の色は、月の満ち欠けを表しているんです。
15日目は全員白衣の満月、30日目は全員黒衣の新月..ということですね。

この解説は『謡曲拾葉抄』にあるそうです。

月の満ち欠けを天人の衣の色で
考えていたなんて面白いと思いませんか?

それにしても黒衣の天人ってちょっとミステリアスですよね。
ちなみに能で天人役をするときは、白や赤の長絹(羽衣)を
着ることが多いです。

当日何色の装束を着るかは..観てのお楽しみですね



次>その3【キュートな菩薩さま】
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